古き良き着物の品格

着物の格とその種類

TPOと着物の格

TPOと着物の格は、着物を着用する上で重要な要素となります。まず、最上級のランクに位置するのが留袖と呼ばれるものです。家紋が入っていることもあり、結婚式などのお祝い事には欠かせません。しかし、留袖は既婚女性のみが着用できるので、未婚の場合は、振り袖が一番格上に位置付けされます。その次が訪問着となります。そして付け下げと続くのですが、付け下げと訪問着は、最近あまり見た目が変わらなくなってきています。違いは、柄が全体に渡って繋がっているのが訪問着で、付け下げは身頃ごとに柄が描かれている物を指します。両方とも、結婚式に着用しても大丈夫で、ちょっとしたパーティーなどにも対応可能です。

付け下げは、訪問着よりやや格下になるので、あまりお祝いの席に向かないと考える人もいますが、家紋が入っている場合、着用しても問題ありません。また帯も格によって変えなくてはなりません。袋状になっている袋帯と言われる帯を締めるのが基本となっています。留袖や、振り袖を着用する場合は、金糸を用いた帯を使用するとより着物が華やかに引き立ちます。また帯締めは、振り袖の場合は自由、留袖は金糸と銀糸を用いた物を使用することが決まりとなっています。さて、ここからは「おしゃれ着」と呼ばれる、普段気軽に着用することができる物をご紹介します。おしゃれ着のほとんどが小紋に分類されます。

小紋と言うのは、専門用語で型染めの物を総称して言うのですが、わかりやすく簡単に言うと、小さな柄が全体に渡って描かれている物を指します。同じ模様が繰り返されていることから、模様に天地の区別がありません。江戸小紋や京友禅小紋などが、名を知られています。小紋には、名古屋帯と呼ばれる帯が適しています。名古屋帯は、袋帯に比べると薄いのが特徴となっており、柄や刺繍は、見える部分のみ施されているのが通常です。他にも季節限定のおしゃれ着があります。

それが夏の風物詩、浴衣です。またあまり馴染みがありませんが、6月と9月のみ着用ができる単衣と呼ばれる物もあります。その昔、単衣の着用できる期間が過ぎると衣替えの季節がやってくると言われており、季節の節目に着用する習慣がありました。またおしゃれ着の中でも、少々格が高いのが絽や紗と呼ばれる物です。こちらも夏限定の着衣で、通気性の良い反物を使い盛夏に着用しても、暑くない装いとなっています。家紋を付けると準礼装として着用することができ、応用が効きます。

後染めの着物
■後染めの着物
後染めの着物は白生地、反物(織物)になってから染色するので後染めの着物に分類され、一般的にさわった感触、風合いからやわらかい着物、染めの着物とよばれます。

先染めの着物
■先染めの着物
先染めの着物は反物(織物)になる前、糸の段階で染色し反物(織物)にするので先染めの着物に分類され、一般的にさわった感触、風合いからかたい着物、織りの着物とよばれます。

芭蕉布
■芭蕉布
芭蕉布(ばしょうふ)は沖縄が産地の糸芭蕉で織られた織物のことで、麻とは違った感触で、とても涼しい盛夏の着尺地として用いられます。